2009年12月17日木曜日

中国式民主主義

アメリカはことあるごとに中国の人権問題に
口出ししている。チベット然り、新疆ウイグル地区然り。
それに対して、中国は激しく反論する。内政干渉だ、と。

中国には真の民主主義は存在しない、と
しばしば言われてきたが、中国は建国以来、
一貫して民主主義を宣言(必ずしも知行合一ではないが)
し続けている。

ただし中国式?の民主主義は欧米型のそれとは
だいぶ趣を異にする。欧米型の民主主義は中国の実態に
合わないらしいのだ。

13億の人間をコントロールするには、多少強権的な統治が
必要、と中国は主張するが、たしかに一理ある。

たとえば、1979年に始まった一人っ子政策だ。この産児制限政策が
一定の効果を上げているのは、中国共産党の一党独裁政権が、
それを強要しているからだ。

もし民主化したら、産めよ殖やせよで、たちまち人口爆発が
起きるだろう。今でさえ世界人口の5人に1人は中国人だというのに、
好きなだけ産んでいいとなったら、世界人口の半分が中国人になってしまう。
どこを向いても中国人ばかり……想像しただけで憂鬱になる。

中国人の抱く幸せのイメージは昔から変わらない。
「福・禄・寿」の3つだ。「福」は子宝に恵まれること。
「禄」は財産、「寿」は長寿に恵まれること。

今は「福」以外の「禄・寿」が満たされつつある状態で、産児制限の
タガが外れれば、雪崩を打って子だくさんをめざすだろう。
そうなったら政情不安や地球規模の食糧不足が起きてしまう。

強権的な一党独裁政権によって世界が救われている、
というのは一面の真理ではあるのだ。

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