2010年1月23日土曜日

死ねば仏さん

菊池寛の短編に『恩讐の彼方に』という
作品がある。

主殺しの大罪を犯した男が出奔と同時に出家、
諸人救済の大願を起こして旅に出る。

豊前の国(大分県)へさしかかると、
名刹へ通ずる道が断崖絶壁に切り立てられている。
そこには鎖で連ねた桟道が危なげに伝っている。
聞けば年に十数人が滑落して命を落とす難所だという。
男は卒然と決意する。
(この絶壁をくりぬけば、10年で100人の命が救える)

一方、仇討ちの旅に出た若者はついに敵を捜し出すが、
敵の老僧は一心不乱になってのみをふるっている。
ある夜、ついに洞門が開通する。すでに21年の歳月が流れていた。

大願成就のその日に敵を討ち果たすつもりだった若者。
が、偉業を前にして、いつしか憎しみは消えていた――。

とまあ、ざっとこんなあらすじだが、
これが中国や韓国となると、お涙頂戴ではすまなくなる。

たとえば仇討ちの旅に出て苦節十数年、やっと見つけ出したら
敵はすでに死んでいた。さて中国人ならどうするか?
墓を暴いて死体にむち打つのである。

また「日韓併合」(1910年)の際、
条約に調印した李完用首相の墓は今、
韓国のどこを探してもないという。
墓を作ると必ず暴かれてしまうからだ。

儒教では死んでも罪は絶対に消えることはない。

日本も儒教の国ではあるけれど、どんな悪人でも
死ねばみな仏さんや神さまになる、と教えられている。
A級戦犯の東条英機も死ねば仏さまだ。
だから日本人は、戦犯(繰り返すが、
日本には戦犯など存在しない。
よって彼らの死はあくまで法務死という)
も靖国神社に合祀した。

罪人は未来永劫「罪人」とする中国人や韓国人には、
日本人のこの考え方は永久に理解できないだろう。

だから靖国問題は文化摩擦であり、
ビミョーな宗教問題でもあるのだ。
僕は「内政干渉だから黙っていろ!」
の一言で十分だと思っている。

2 件のコメント:

アンフォト 山家 学 さんのコメント...

こんばんは、山家です。

この靖国問題、中国の高圧的な態度にはホントに嫌気がさしますね~。
そして、日本国内にも同じこと言う輩がいることに驚きます。
鳩山首相には、ぜひ8月15日に靖国神社に参拝していただきたいです・・・無理か?(苦笑)

2010/02/01 15:46:39

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

山家さんありがとう。
最近つくづく思うのだけど、
日本人はほんとうに喧嘩ベタですね。
何事も「まあ、まあ」と穏便に済まそうとする。
でも、国のアイデンティティに関わることに
口出しされたら、毅然と峻拒すべきですね。
中国人はその点、喧嘩慣れしていて、時には
笑顔をふりまき、時にはブラフをかけてくる。
外交をよく知ってます。悔しいけど、
鳩山のお坊ちゃまなど赤子同然、手もなく
ひねられてしまいますよ。