2010年8月16日月曜日

マイケルと安来節

マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』を見た。
2009年夏、ロンドンの02アリーナで開催されるはずだったコンサート。
マイケルの突然の死で、ついに〝幻〟となってしまったが、死の2日前まで
入念に積み重ねられていたリハーサルの様子がみごとに収められている。

マイケルがめちゃくちゃすごい。とても五十路を越えた男とは思えない
キレのいいダンスに艶のある声。それにあのスレンダーな肢体を見てくれ。
またマイケルを支える第一級のバックコーラスやダンサー、バンド陣がすばらしい。
まずはこの美人ギタリスト・オリアンティの超絶技巧をご覧あれ。

僕もギターはポロンポロンやるが、どっちかというと古賀メロディとか
ナルシソ・イエペスがふさわしいようなギターで、見た目は、
「エリック・クラプトンにチョー似てるゥ」なんて言う正直な人もおられるが、
所詮、マイケルのバックがつとまるような器ではない。←当たり前だ。

わが家の娘2人は高校時にヒップホップダンスをやっていて、
今もジムなどでマイケルもどきのダンスに熱を入れているが、
いまだムーンウォークひとつできやしない。

昨夜もマイケルに刺激され、しきりに腰をフリフリしていたが、
ヒップホップと云うより安来節のドジョウ掬いに近い。
いくら足が長くなっても、民族の宿痾とも云うべき盆踊りのDNA
からは逃れられないようだ。

ところで、僕の女房はかつて競技ダンス(映画『Shall we ダンス?』のあれ)
の全日本学生チャンピオンだった。優勝時の8ミリ映像(いつの時代だよ?)
が今も残っているが、ワルツやタンゴ、スローフォックストロットといったモダンが
中心で、見てるとなぜか「鹿鳴館時代」が彷彿され、気恥ずかしくなってくる。

「お母さんがダンス日本一だったんだから、お前たちにだって
その才能が遺伝してるはずだ。やればできる。Yes you can!」
と、ダンス好きの娘たちに折々ハッパをかけるのだが、
受け継いだのは、どうやら安来節派の父親の遺伝子だったようだ。
不憫である。

日本には郷ひろみというマイケルの二番煎じがいて、
ときどきテレビでダンス・パフォーマンスを披露したりしているが、
中身は園児の学芸会レベルで、比較するのさえためらわれる。

それでも日本のショービジネスの世界では立派に通用するのだから、
うちの娘たちだって、スターになれる可能性は十二分にある。
出でよ、マイケル2世! じゃなくて、
出でよ、ひろみの二番煎じ(トホホ)!←あな恥ずかし

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