2010年10月17日日曜日

Alexiaの秋

留学生のAlexiaと二人で浅草に行った。仲見世通りは
相変わらずごった返していて、英語、中国語、韓国語などが
にぎやかに飛び交っていた。ガイジンばかりである。

渋谷とか原宿とか、どちらかというと若者の集まる街が
お好みのAlexiaに、さて浅草はどうかとも思ったが、「一度は見てみたい」
というものだから、定番スポットでもある町をあちこち案内してやった。

とってもシャイな女の子、というふれ込みだったはずだが、
意外や意外、けっこうなおしゃべりで、電車内でもぶらぶら散歩の
間じゅうも、ずっとしゃべり続けていた。

女子高校生らしくファッションだとか、音楽、芸能の話かと思いきや、
中身はほとんど政治や経済の話ばかり。フランス・サルコジ政権のダメさ加減や
左派社会党の不人気ぶり、そしてフランス経済の停滞、若者社会の荒廃、
いじめ問題など、いやしゃべるわしゃべるわ……。

で、最後には「フランスはきらい。フランスの男の子はサイテー。日本がいい、
日本の男の子はカッコいい、わたし絶対日本に住む」で必ず締めくくられる。
こっちとしては悪い気はしないが、惚れた欲目なのだろう、何でもかでも
よく見えてしまうというのは、ちょっぴり気の毒な気もする。

それにしてもフランスの若者はどうしてこんなに政治への関心が高いのか。
僕らの世代からすると、つい1968年のパリ「5月革命」を思い出してしまう。
あの時のstudent powerはものすごかった。

『ル・モンド』紙を隅から隅まで読むというAlexia。
「フランスはだめな国になってしまった」としきりに嘆くが、
フランスのことを愛するがゆえの慨嘆であることは、
容易に理解できる。それだけに、なんだかとても痛ましい。

せっかくの浅草見物だったが、往きも帰りもずっと議論のしっぱなしで、
どこをどう歩いたのかあまり憶えていない。こんな若い女の子と、
熱く政治を語り合ったのは生まれて初めて。歩き疲れてしまったけど、
心地よいけだるさが僕の全身を覆っていた。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

フランスからのお嬢さんの話楽しいですね!日本の若者に対する評価が高いようですが、一度テレビの若者向け番組を視てもらったら如何でしょうか? 老人のたわごとかも知れませんが、なんと阿呆のオンパレード! こんな番組が跋扈する世の中では、アカデミック・レベルの低下は当たり前のこと。お嬢さんの見方も変るかも知れません。 いずれにしても滞在中は沢山の人に逢い、色々な所を
みて廻って欲しいですね。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

匿名様
コメントありがとう。
僕もまったく同意見なんですが、
なんと彼女はバカタレ
(おバカなタレントの略)や
芸ノー人が跋扈するバラエティ番組が
大好きなんです。
それをじゅうぶん見た上で、
「日本の若者はカッコいい」と
言ってるわけでして、
実に困ったちゃんなのであります。
なんとかしてください。