2010年11月4日木曜日

1インチ退けば……

米国のニクソン元大統領の著作に『Leaders』というのがある。
チャーチルやドゴール、フルシチョフや周恩来など、彼が身近に接した
世界のリーダーたちを取りあげ、真に偉大な指導者とは何か、
縦横に論じた本である。私はこの本が好きで、何度も読み返している。

英国のチャーチルはこどもの頃、友だちと人生の意義を論じ、
人間はすべて虫ケラだ、という結論に達したという。
しかしチャーチルはこう言ったのだ。
《We are all worms, but I do believe I am a glow-worm.
僕たちはみんな虫ケラさ。でも僕だけは……ホタルだと思うんだ》

旧ソ連のフルシチョフと激しくわたりあったニクソンは、
この粗野で無礼で田舎くさい指導者をこう評した。
《相手がほんの1インチでも退けば1マイル押し、
少しでも臆する敵は蹂躙した》

フルシチョフには鉄則があった。
『個人的な友情は、必ずしも国家間の友好につながらない』
とする鉄則である。たとえロン・ヤスと気安く呼び合う仲になっても、
いざ国益を損なうとなれば、一朝にして冷酷で非情な人間になる。
それが指導者だと。

ニクソンは言う。
《われわれが断固たる態度をとり、必要とあれば力によって言葉の
裏付けをするほど強ければ、ソ連の指導者はわれわれに敬意を払う。
こちらが行動において弱ければ、彼らはすぐに軽侮をもって当たるだろう》

われらが民主党政権は「微笑み外交」によって隣国との友好を図ろうと
しているようだが、与しやすしと下目に見られたのだろう、結果は惨憺たる
もので、尖閣諸島や北方四島まで中ロの毒牙にかかろうとしている。
1インチ退けば1マイル押してくる――中国やロシアの伝統的な拡張主義は
少しも変わっていないのである。

「政治家になるにはどんな勉強が必要か?」という質問に対しては、
ニクソンはいつもこう答えるという。
《政治学などやらずに歴史、哲学、文学を十分に読み、それにより
自己の精神を柔軟にし、視野の地平線を広げよ》と。

偉大な指導者に共通している事実は、彼らが偉大な読書家であったこと、
とニクソンは言う。
《今日、テレビの前に座ってぼんやりしている若者は、
あすの指導者にはなり得ないだろう》
だってさ……耳が痛いですな。


●「嶋中労・読むまで死ねるかっ」の答え
昭和27年2月生まれは「戦中派」?
答えはマル。
日本国との平和条約(サンフランシスコ講和条約)が発効したのは
昭和27年(1952年)4月28日。ここで初めて外交条約上の「戦争状態」が
終結する。つまり発効以前は国際法上は「戦争状態」ということになるため、
嶋中労の〝戦中派〟宣言は正しいことになる。←屁理屈かねえ?(笑)

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

嶋中労さま

ONO哲です。

労さま、出ましたね。
民主党さん撃沈。
二度と浮上しないでください。(お願いしますよ)

友愛なんて無意味やろ、
中国・ロシアに領土盗られちまうで。

ところで蓮舫に尋ねてみたい。
「尖閣諸島はどこの国の領ですか?」って。

「やっぱ台湾のモンでしょう」ってか。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

ONO哲様
ニコニコ動画で尖閣ビデオ見ました。
ハナから出してればこんな騒動に
ならなかったのに、と思うのですが、
「中国を刺激したくない」という
理屈が優先するんでしょうかね。
僕にはようわからん。

それにしても日本人はケンカ下手だね。
政治家たちって、概ねいいとこのお坊ちゃん
だろうから、こどもの頃に取っ組み合いの
ケンカをしたことないんだろうね。

やられたらやり返す、というごくふつうの
対応ができてない。上目づかいに相手の
顔色をうかがうという、なんと言おう、
典型的ないじめられっ子の体質なんだ。

フルシチョフなんかテーブルを叩くわ、
相手のお腹を指で押すわ、ありとあらゆる
恫喝的な行為を平気でやったもんです。
ぜんぶ計算されているんですよ。

菅総理も寸足らずのメドちゃんが来たら、
バカみたいな作り笑いなんかしてないで、
ガミガミと怒鳴ってやったらいい。
そんな度胸はないだろうけどね。

ああ、やっぱ核武装しなけりゃだめ
なんでしょうかね。