2011年6月16日木曜日

つつがなしや友垣

9月に川越で同窓会をやろうという話が出ている。
そろそろ還暦を迎えるので、中学校時代の同窓が集まって、
人生にひと区切りつけようというわけだろう。

還暦といわれたって、「どこのどなた様のことですか?」と、
まるで他人事みたいだが、鏡に映るわが面貌を眺むれば、
なるほど白皙の美少年はもうそこにはいない。←オイオイ

しかし紅顔緑髪から遠くなったからといって、
男の値打ちがガタ落ちになったわけではない。
むしろ総合的に見て男っぷりは上がったみたいだし、
若いときよりモテそうな気もしているのだ。←懲りないヤツ!

で、肝心の出欠だが……正直、迷っている。
かつてマドンナとして君臨した旧姓MさんやHさんが、
どんな素敵なオバサンに変身しているか。ジャーナリストの
はしくれとしては、ぜひとも確認しておきたいところだけど、
会えば会ったでいったいどんな話をすればいいのか、
いささか気が重くなる。

「実はHさんのこと、好きだったんです」
「私もSさんのこと、ずっと憧れてたの」
酔余の勢いで、こんな危ない会話が繰り広げられるかもしれない。←ないない

上手に歳をとった人、みごとにとり損ねた人。
経済的成功をおさめた人、これまたみごとにコケた人。
人生いろいろで、ボクなんかはいっとき輝いた時期も
あったけど、トータルで見るとコケちゃったクチで、
ふるさと』の歌詞にある《志を果たして いつの日にか帰らん》
という具合にはいきそうにない。←古いね

「お前、いまどんな仕事してるの?」
「子供は何人? 孫は?」
「奥さんとはどこで知り合ったの?」
「中学時代のお前って、カゲが薄かったよなァ。
いまはカミが薄くなってるようだけど……」←ほっとけ!
「おれ、いま××商事の取締役。名刺渡しとくよ」←いらねェよ
「趣味? ゴルフ。ようやくシングルになったとこ」←so what?

こんな怖ろしい会話が取っかえ引っかえ繰り返され、
おべんちゃらやらお追従笑いに終始するとしたら、
それこそ生きた心地がしないだろう。それともいっそ、
「みじめ」の一言に尽きる昔話に花でも咲かせますか?
どっちに転んでも、地獄を見そうである。

唯一の救いがあるとすれば、馬齢を重ねていても、
みなそれなりに侘び寂びて、俗臭ぷんぷんたる自慢話を
少しは遠慮するかもしれない、という希望的観測。

でもなァ……遠いむかしを懐かしむのもいいけど、
懐かしむに値するご立派な過去を持たない人間はどうしたらいいの?
考えれば考えるほど憂鬱になる。

おい、いつまでグズグズやってんだ。
出るのか、出ないのか……ハッキリしろぃ!














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