2012年3月9日金曜日

鬼の居ぬ間に

本日は亡父の祥月命日。母が死んでから迎える最初の命日だ。
「父さん、あの世で20年ぶりに母さんと再会した感想は? 
ずいぶん待ち遠しかったんじゃないの」
あいにくの雨だったが、そんな思いを胸に墓参りに行ってきた。

実家への手土産はいつもの豆富と油揚げ。
川越駅のほど近くにある「小野食品」がひいきで、
わがブログに軽妙な合いの手を入れてくれる〝なごり雪〟さんの店だ。
上品なボクの口には、この店の豆富と揚げ物しか合わないのだ。
それに、いつも〝オマケ〟をくれるし。←せこい奴!
ボクは何かとオマケに縁がある人間なのである。

実家へ顔出しすると甥っ子の嫁が留守番をしていた。
「今しがたお墓参りに行きましたよ」
兄貴夫婦はかけ違いに寺へ向かったようだ。
「しめしめ……」
鬼の居ぬ間に仏壇にお線香をあげ、さっさと引きあげちまおう。

嫁は笑っていた。ボクと兄貴が犬猿の仲だということをよーく知っている。
(それにしても墓参りとはなァ……少しは人間的なところがあるじゃないの)
ちょっぴり兄貴を見直してやった。でも会えば必ずケンカするので、
君子危うきに近寄らず。あわてて退散してきた。
滞在時間はわずかに3分。

わが兄弟はみな偏屈ぞろい。わずかに姉がまともな部類?に入るが、
ハタから見ると相当おかしい。
「男兄弟なんて、どこも同じ。仲良しなんておりゃせんよ」
周囲のものはそういって慰めてくれるが、仲が悪いより良いに越したことはない。
女房の兄弟の仲良しぶりを見るにつけ、
「やっぱ俺の兄弟は異常だ」と思わざるを得ない。

兄弟と暮らした月日より、女房や隣人知人たちと過ごした日々のほうが
長いんだものね。疎遠になってしまうのも当たり前か。
ま、それでも兄弟は兄弟。縁を切るわけにもいかないので、
なんとかうまくやっていくしかない。

父さん母さん、あの世でも心労が尽きませんね。
そのうち(100年後だけど)、お詫びにうかがいます。
どうか仲良くやっていてください。

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