2012年3月20日火曜日

ふるさとの訛り懐かし

次女はいま、イギリス北東部を犬のようにほっつき歩いている。
今春の就職を前に、留学時に同級だったドイツ人の友人(女性です)と共に、
ドイツからイギリスへと、優雅な修学旅行をしているのだ。

次女が留学したのはスコットランドにほど近いニューカッスル大学。
ニューカッスルといえばGeordie(ジョーディー)という超難解な訛りで有名だ。
歌手のスティングや「ミスター・ビーン」がGeordie accentで知られ、
そのあまりに理解困難なアクセントゆえに、イギリスではよく笑いのネタにされている。
日本でいう東北方言のズーズー弁(差別語ではございませぬ)といったところか。

イギリスの訛りというとロンドン下町のコックニーcockneyが有名だが、他にも
ウェールズ訛りとかリヴァプール訛りとか、数え切れないほどの訛りがある。
サッカー選手ベッカムのしゃべっているクセのある訛りはエセックス訛りで、
一説には、エセックス訛りがロンドン言葉に影響を与えコックニーに発展して
いったともいわれている。

北へ行くほど訛りがきつくなるというのは、日本と同じで、
ニューカッスル訛りはスコットランド訛りにかなり近いといわれている。
たとえばMonday(月曜日)をムンディー、shit(くそ)をシャイトゥなどと言うそうだ。
また言葉そのものも違っていて、yesがaye(アイー)になってしまう。

イギリス北部はかつてバイキングの襲来に悩まされた地域でもあり、
単語やアクセントにスカンジナビアの言葉が強く影響している。

われわれはイギリス英語というとすぐQueen's Englishを思い浮かべるが、
ロイヤルファミリーのしゃべる英語はこれまた特殊な英語だそうで、
日本における標準語はイギリスではRP(Received Pronunciation容認標準発音)
と呼ばれている。BBCのアナウンサーなどが使う発音がこれで、
訛りのない標準イギリス英語なのだという。

RPはイングランド南東部の教育のある人々の英語発音ということらしいが、
実際に使いこなしているのは国民の3%に過ぎないというのだから、標準語もクソもない。
BBC放送で英語を学んだという外国人が、ロンドンやその他の都市に行っても
さっぱり聴き取れなかったとこぼすのは、たぶんそのためだろう。

次女は米語と英語を使い分けられると生意気を言っているが、
正確には米語のシアトル訛り(高校時代に1年間留学)と英語のニューカッスル訛りを
わずかにしゃべれる、というべきだろう。英語のしゃべくりがさっぱりで、
小江戸訛りの日本語しか話せないボクにとっては、どっちも馬の耳に念仏だ。

今朝は天気がいいので近くの樹林公園に行ってみた。
梅が満開で、桜もようやくつぼみがふくらんできた。
恒例の花見は、来月初めごろになるだろうか。



←イングランド北東部にあるニューカッスル大学。
次女は大学生時代に1年間留学した。





6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

勞さん

愚輩のアメリカの友人がロンドンに出かけ
人々が街で話している英語を全く理解出来なかった言ってました.

生まれて初めての外国出張がイギリスでロンドンの北西地方に出かけたのですが、相手先の営業担当との話は何とか通じたものの工場での話はもうお手上げでした。こちらは買う方でしたから相手も必死になって説明して呉れて何とか話がまとまりましたが。。。。。その時得たレッスンは”困った時は筆談”です。こちらが筆記する英語を相手は案外理解して呉れ助かりました。

ニュージーランドの取引先が来日した際に
通訳らしき仕事をしたのですがこれも一苦労
でした。同席したデンマーク人(5か国語位
に堪能な人でしたが)も聴き取れなかった
言葉がありました。”イヤー・フィヤー、
Ear Fear” としか聞こえない言葉です。
デンマークの語学の達人と汗を流し、前後関係から推測して"Air Fare、航空料金”の事かと尋ねたら”そうだ”との事で大笑いでした。

良く言われている ”I went to the hospital today"が”I went to the
hosppital to die"と聞こえるのですから
訛りは難しいですね!

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

匿名様

おもしろいですねえ。
匿名さんは英語の達人だから、
ビジネスの場などでも、
おもしろいエピソードが
いっぱいありそうですね。

todayがto dieに聞こえるというのは
オセアニアあたりでは当たり前。

オージーのメル・ギブソンが
スコットランドの英雄ウィリアム・ウォレス
を演じた『ブレイブハート』は、
酷かったといいますからね、発音が(笑)。

やっぱ最後の手は筆談でしょうか。

匿名 さんのコメント...

勞さん

愚輩は英語の達人ではありません。昔、自分の周りに英語があっただけなのです。

自分の経験ではありませんがかなり以前にThe
YomiuriのOut and Aboutというコラムで
読んだ笑い話があります、ご存知かもしれませんが。。。:

日本から来たお客さんをイギリス在勤の商社マンがロンドン市内を車で案内していました。
日本のお客は車の中からきょろきょろ街を眺め嘆息して言いました ”ロンドンの街には何と多くの公衆トイレが有るのだろう! それにしても英語の国でありながら簡単な単語のスペリングを間違えるとは!” かの商社マンは最初客が何を言っているのか理解出来なかったのですが暫くしてはたと気が付きました。お客は街のあちこちに貼ってある”貸間・貸家在り”の看板””To let"を読んでトイレットと読み間違え”i”の字が抜けていると言っていたのです。

お後がよろしいようで。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

匿名様

これまたおもしろいですねぇ。

トイレといえば、
韓国では尻を拭いた紙は
便器に流さず、そばにあるバケツに
入れるんですよね。

流すと詰まったり、逆流してきたりする。
それに多くの場合、男女共用で、
男が小用を足している後ろを
妙齢の女性がすり抜けていったりする。
焦ってズボンの裾にひっかけてしまいますよ。

『世界各国トイレ事情』なんて本が
あったら、ぜひ読んでみたいですね。

Nick's Bar さんのコメント...

Rouさん、

こんにちは。

彼女(お嬢さん)は間違いなく使い分けられるであろうと推察いたします。

わたしゃその昔、北アイルランドの北の端、コールレーンなるところへ商用で数回行った事がありますが、甘く見ていて痛い目にあいかけました。

何語を喋っているのか、全く理解不能状態・・・
最初の2分でお手上げを宣言し、今では珍しくもありませんが、コピーの取れるホワイトボードに重要事項は書きながらの商談と相成りました。

いやぁ、見栄張っちゃいけません。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

NICK様

Coleraineという町は
アイルランド島の最北端ですね。
北アイルランド紛争がお盛んな
ところとも聞いてます。

そんな危ない町へ商談とは、
商社マンも命がけですな。

英語使いのNICKさんですら
通じないとなれば、
こっちはどうしたらいいんでしょう。

Geordie accentの動画を見たら、
100%聴き取れませんでした。
まったく何を言ってるのやら……

外国語はあきらめて小江戸川越弁
に磨きをかけることにいたします。