2012年12月5日水曜日

メカケ根性が板につき

総選挙を前にして、例によって左翼リベラル政党の党首たちは「平和憲法を守ろう」
「原発のない社会を」などと、相変わらず耳に心地よいスローガンを並べ立てている。
クリーンなエネルギーと簡単におっしゃいますが、どうやったら新たな電力安定供給が
できるのかという具体論になると、途端にしどろもどろになってしまう。

ここでも「脱原発」か「続原発」かの単純な二元論を掲げ、「続原発」支持派を民意を
無視した悪者に仕立て上げようとしている。そりゃあ、原発なんかないほうがいいだろう。
でも仕方ないではないか。段階的に廃炉にしていくのはいいとしても、
いきなり風力だ地熱だといわれたって、世界第3位の経済大国がそんなものでやっていける
わけがない。それに世界一の原子力発電技術(アメリカも日本に依存している)をみすみす
捨ててしまうのか? 失業した技術者が中国や韓国、イランなどに流出したらどうするのだ。
原子力は国家安全保障の問題とも密接にからんでいるのである。

自民党の安倍総裁は憲法を改正して自衛隊を「国防軍」に変えると主張している。
それとともに、「集団的自衛権」の行使を認めるよう政府解釈を変更するとも言っている。
この発言をとらえて「今にも戦争が始まるぞ」みたいに恐怖心をあおっているおバカさん
たちがいるが、支那や朝鮮の回し者が何を言うか、である。

集団的自衛権というのは、たとえばあなたが仲のいい友だちA君と歩いていたら、
いきなり数人の不良に囲まれ、金を出せと脅されたとする。勇気あるA君が突っぱねると、
不良たちは「生意気だ!」と彼に対し殴る蹴るの暴行を加えた。
さて、あなたならどうする? A君を助ける? 
それとも君子危うきに近寄らずで、スタコラサッサと逃げちゃう?

現行憲法では、第9条が「武力行使」を認めていないため、たとえ親友のA君が
ボコボコにされても助けることはできず、せいぜい「がんばってね。応援してるから」
と声援を送るしかない。数週間後、今度は同じような状況下で、あなたがボコボコに
される立場になったとする。「痛い、殺されちゃうよ。A君! 助けて~!」
まだ傷(心の傷もある)の癒えないA君が、薄情な君をはたして助けてくれるだろうか。

集団的自衛権などという難しい用語を使うからよく分からないけど、要はこういうことで、
A君はすなわちアメリカのことだ。11月29日、アメリカ上院は尖閣諸島に対して
日米安保条約の適用を明記した条項を国防権限法案に盛り込んだ。つまり尖閣が
第三国から侵略ないし攻撃を受けたら、「日本に助太刀いたす」と明確に宣言して
くれたのである。当然ながら、支那は猛然と反発している。

日本はホッとひと安心、といったところかもしれないが、いざとなったら自分を助けてくれない
薄情な日本をほんとうに救ってくれるだろうか、という一抹の不安は残る。ボクがA君だったら、
卑怯で薄情な友だちとはとっくの昔に縁を切っている。「困ったときの友が真の友」というが、
集団的自衛権の問題はまさにそれなのである。

戦後67年、日本はアメリカというお大尽の旦那から「平和憲法」という貞操帯を押しつけられ、
浮気もせず妾宅にこもって旦那一筋に生きてきた。67年も経つと、さすがにメカケ根性も
板につき、「できればずっとお気楽な妾でいたい」などと思うようになってきた。
かつての「サムライの子孫」という気概はとっくの昔に失われている。平和さえ続いて、
ゴージャスな生活が送れれば、国や民族の生き方などどうなってもいい、
とさえ思うようになっている。

ボクは個人の生命より大事なものがある、と考える古いタイプの人間なので、
「平和、平和」と念仏のように唱える連中とは一線を画したいと常々思っている。
要は「お妾さん」を廃業し、ギックリ腰であっても自分の足で立ってみたいのである。
自分の身は自分で守りたいのである。誇りと気概を持って生きたいのである。
そして友だち(A君は自分勝手でけっこう嫌なヤツだけどね)は大事にしたいのである。

これからにぎやかな選挙戦が始まる。
候補者名を連呼するだけの、
あの貧しい選挙戦が。




 ←こっちはAKB48の総選挙。
  投票率は80%近いという。
  ボクもこっちのほうがいいな。
 

6 件のコメント:

Nick's Bar さんのコメント...

ROUさん、こんにちは。

 まず電気から。

 即時、原発をすべて稼働停止にしても、まぁ、いちおう電力の供給は可能です。ただ、間違っちゃいけないのは当面、今の価格でどうにかなるが、そのうち倍くらいの値段を覚悟せにゃいかんという事です。

 それくらいなら、暖房はエアコンやめてガスにしようとか、電機はこまめに消そうとかなんて考えるのが普通ですが、今やこの世のほとんどすべてのものにかかわっているでっかいコンピューターや、今や所有率が7割にならんとしているスマートフォンなんかもこのあおりを喰らうわけで、その経済的なマイナスは数字じゃ出てこないでしょうが、相当なダメージです。
 
 風が吹けば桶屋が儲かるではないですが、電気代が上がれば日本が沈む、になるでしょうな。この生活レベルを維持しつつ、原発を廃炉にするというのは絵に描いた餅に近い戯言にしか思えません。(だって廃炉にする費用は電気代に乗ってなかったんだから。)

 ある意味感情論で国政の雌雄を決するつもりなんですかね?愚の骨頂だと思います。

 で、自衛隊。国防軍にするのは悪くないと思います。妾の立場からの脱却も気分的には悪くないとおもいますが・・・

 妾をやめるとなると、戸締りは自前でやらなくちゃならなくわけで、今、収入の1%そこそこで防犯してたんだけど、全部自前となると少なくとも15~20%は使わなくなるわけですよ。定期的に防犯用品も新しいのにしなくちゃいけなくなるし、たまには使ってみなきゃいけなくなるし・・・。

 収入が増えるどころか漸近的に減っていく中、なかなか厳しい選択をすることになるような気がいたします。

 この辺も国民の付託を受けて決めるんでしょうね。

 16日は投票に行きましょうね。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

NICK様

さすがに年の功でよくわかっていらっしゃる。
まさにおっしゃりとおりで、原発をなくせば直接的には電気代の値上げとか先進国からの脱落とか、いろいろい問題が出てきます。

政治家どもは国の将来や国民の生活などより、
自分が当選するかどうかしか関心がありませんから、大向こう受けしそうなフレーズしか
並べません。

つまり国民は難しいことは分からないだろうと
完全にナメ切っているわけで、子供に分かりそうな選択肢しか提示しないのです。

国防費ですが、すべて自前だとGNPの1%以上は覚悟せざるを得ないでしょうが、15~20%必要になるというのは納得できません。
その根拠は何でしょう。

いずれにしろ、国防には金がかかります。が、それで誇りが取り戻せるなら安いものです。

Nick's Bar さんのコメント...

ROUさん、こんにちは。

国防のみ。

 1%から15%~20%の根拠ですが、まず総員です。今は約25万人です。一億二千万分の25万ですよ。軍隊としてはあり得ない規模です。人口の0.21%ですよ。ちなみに米軍は150万、予備役150万。1.3%相当です。人件費の増。でもこれは大したことはありません。

 各国のGDPに占める軍事費の比率は多くて5%平均3%くらいです。じゃぁ、なんで15%~20%と言ったのか。

 妾をやめた途端に戸締り用品を一挙に揃えなきゃいけなくなるからです。うるさいハエを叩き落とすやつ、乗り込んでくるやつを叩き潰すやつ、3倍以上に増えた手に持たせる竹槍よりもうちょっといいやつ、空で待ち受ける竹とんぼ、物や者を運ぶやつ、周りの池に浮かべる舟、竹とんぼを乗せられる船、その舟に乗せる竹とんぼ。これを一気にやるとなると3年くらいは初期投資で15%~使わないとそろわないんです。特にお舟と竹トンボは非常にお高いものですから。

 確かに誇りが取り戻せる一助にはなるでしょう。

 みなさんが「武士は喰わねど高楊枝」と決め込めればでしょうが・・・・

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

NICK様

詳しい解説、畏れ入ります。
たしかに日本の場合は、海岸線が長いので
浮かべておくお舟の数がバカにならないでしょうね。

たしかに初期投資は膨大になるだろうけど、
均せばGDP比で3~5%でいけるのではないでしょうか。詳しい分析は知り合いの専門家に
聞いてみます。

Nick's Bar さんのコメント...

ROUさん、

 おっしゃる通りで、初期投資が済めばランニングコストとしては2~3%といったところでしょう。

 防衛産業さんが羽振り良くなるといいですね。

 では。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

NICK様

先ほど元文藝春秋社の取締役だった人と
話していたんだけど、衆院選序盤の情勢調査で
自民党が過半数を大きく上回る予想が出ているらしい。

あまりにその勢いが激しいので、
新聞各社はかなり抑えぎみに
報じているという。

いよいよ安倍政権の誕生か。
ボクがどれほど待ち望んでいたか。
予想どおりにいってくれればいいのだが……