2013年1月10日木曜日

♪窓を開け~ればァ

何度もいうけれど、ボクはバラエティ番組と呼ばれるものをいっさい見ない。
あのアホ面したバカタレ(おバカなタレント)や芸ノー人、騒々しくて下品な司会者
の顔を見ていると、にわかに憂国の情にかられ、六尺棒を片手にもろ肌脱いで
スタジオに殴り込みをかけたくなってしまう。

あの雛壇みたいなところに、日本国じゅうから選り抜きの愚か者を集めて並べるという
趣向は、いったい誰が考え出したものなのだろう。最近はテレビ画面の隅に小窓のような
小さな枠を作って、そこにスタジオ内に居並ぶアホどもの顔をアップで映し出すという
奇妙な演出までやりだした。うっとうしいったらありゃしない。

コラムニストの中野翠女史は、あの小窓が出てくるなりメモ用紙を貼りつけ隠してしまう
という。そこまでして見る必要があるのかいな、とふつうなら思ってしまうが、
彼女の場合は職掌柄、森羅万象のことごとくに目配りしておかなければならないので、
いかな国辱的なアホ番組であってもガマンして見続けるしかないのであろう。
その無念、哀切、悲愴……心からお察し申し上げる。

さてあの小窓だが、コーナーワイプ(画面分割)と呼ばれるものらしく、
メカニカルな面からいうと画期的な技術なのだという。だから製作者側は、
あくまで善意でやっていることで、必ずや視聴者へのサービスに資するもの、
と固く信じているようだ。それにタレントの所属事務所などから、
「もっとうちの子を映してやってくれ」といった執拗な圧力がかかっているとも聞く。

あの小窓ができてからというもの、バカタレどもは常にカメラを意識するようになり、
目を大きく見開いておどろいて見せたり、お涙頂戴の愁嘆場では
必要以上に涙を流すようになった。リアクションがやけに大きいのである。

この手の番組に〝Non!〟を突きつけた視聴者はどこへ行くかというと、
BSの『小さな村の物語イタリア』とか『世界ふれあい街歩き』とか『地球バス紀行』、
あるいは『吉田類の酒場放浪記』とか火野正平の『にっぽん縦断こころ旅』といった
癒し系の番組に行ってしまう。

〝小さな村〟なんてのは、出てくるのは決まってじいさんとばあさんと太った猫だけ。
ただ淡々と、何事もなく、ごくふつうのイタリアの山村の日常が描かれているだけなのだが、
その無欲で素朴な村人たちの生き方を見るともなく見ていると、いつしか心が温まってくる。
なんてったって番組のテーマ曲とナレーションがいい。

吉田類の番組も同じだ。あのちょび髭のおっさんが、ひとり酒場のカウンターに陣取って、
日々の頽落と虚無を溶かし込んだようなモツ煮をほお張りながら、梅チュウをおちょぼ口で
すする。そして店主や他の客相手に軽口をたたく。他には何もない。ただそれだけ。
でも、なぜかホッとする。バラエティなんぞを見て大口開けて笑っているより、
はるかに人間的で上品でもある。しかし類さんよ、その好色そうなにやけた顔は、
も少しどうにかならんもんかね。


←吉田類の酒場放浪記。
いつも酒ばかりかっ食らっているから、
肝臓のほうは大丈夫なのかいな、
とちょっぴり心配になる。
類さん、お酒はほどほどにね。






 

6 件のコメント:

団地の雪女 さんのコメント...

労様こんにちは

なんとなく、労様はテレビなんぞ
見ないだろうなあって想像してました。

私は今、絵美子のおしゃべりクッキング
見てます。
ものまね番組見て、ゲラゲラ笑います。

あー、これから仕事行かなきゃ~~~

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

団地のちべた~い雪女様

ホントはね、女房子供がいない時、
こっそり見てゲラゲラ笑ってるんです。
バラエティ、だ~い好き!

雪女さんは何を見て笑ってもいいんです。
プールでおやじの出っ腹を見て笑ってもいいし、おばんのデカ尻を見て笑ってもいい。
この世の汚辱にまみれたプールを
清めてくださる女神様なのだから、
何を見て笑ってもいいのですよ。

これからお仕事ですか、ご苦労さま。
しっかり稼いでくださいまし。
そのうち、ボクの歌に伴奏をつけてください。
相棒のNICKさんは近頃すっかりお見限りで
ちっとも遊んでくれないのです。
今年もよろしゅうに。

たぶん女神 さんのコメント...

労様こんばんは

強がるのも、お互い楽ではありませんねえ。

アラン泥ウ○○さんの様にクサい演奏はできませんが、
冷たーい、心の無い伴奏ならできるでしょう。

アハハハーーーー 

Nick's Bar さんのコメント...

ROUさん、こんにちは。

遊んでくれないって、お声がかからないから行かないだけです。

ひまなオッサンは(休みは)たいてい家にいますよ。

テレビは観てませんけどね。

日々研鑽を積んで、退歩しないようにしております。

正直この歳になると、練習をしてうまくなるのではなくて、いかに現状維持に努めるか、あわよくばちょっと前進できるか、その程度のもんでございます。

といいつつ、この週末は日曜以外は大忙しでございます。ご用命は日曜日の午後あたりでお願いします。

では。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

たぶん雌神様

そうだね、二人とも強がりだから(笑)。
たぶん素直じゃないんだろうね、精神が。
偏屈なんですよ、二人とも。

心のこもらない伴奏をしてくださると。
最高ですね、そういうの大好き。
できればミュージカル『キャッツ』
の〝メモリー〟とかアイルランドの
〝Danny boy〟なんかがいいな。

そのうち頼みますね、クサくないやつを。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

NICK様

NICKさんはお育ちがいいせいか、
4歳の頃からピアノに親しまれていますからね。年季がちがいますよ。

日曜日だったら遊んでくれるの?
でもね、あいにくヤボな仕事がいっぱいあって、2月半ばまではたぶん半死半生状態
だろうから、酒を酌み交わすなんてことは
ちょっと無理かも。

でも気分転換に伴奏してちょうだい、
と半強制的に呼び出すかもしれないから、
その時はすぐ飛んできてね。

あなたの労ちゃんより。