2013年1月16日水曜日

少年よ、カレーを食べよ!

カレーはインドが起源なのに日本の国民食と呼ばれている。
ある時、インドで日本風のカレーを作り現地の人にふるまったら、
「こいつはうまい。いったい何という食べ物なんだ?」
と真顔で聞かれたというエピソードがある。

日本のカレーはベタベタしているが、インドやタイのカレーはサラサラしている。
なぜベタベタしているのかといえば、小麦粉をバターで炒めたルゥを使っているからだ。
本場インドでは小麦粉は入れない。油とスパイスと水だけで作る。

日本にカレーがお披露目されてから、およそ140年経つ。最初に紹介した『西洋料理指南』
という本には、具材として長ネギやニラ、赤ガエルを入れましょう、などと書いてあるから、
最初から玉ネギ・ニンジン・ジャガイモの〝三種の神器〟が入っていたわけではない。

カレーが直接インドから伝わったとしたら、たぶん国民食と呼ばれるほどには普及しなかった
だろう。インドからかつての宗主国イギリスに伝わり、イギリスのシチュー文化と合体
したものが日本に伝わった。つまり小麦粉入りのカレーである。洋食のひとつとして
紹介された、というのも大きい。かの鹿鳴館でもカレーがふるまわれていたというから、
カレーライスは〝文明〟そのものでもあったのだ。

インドには各種スパイスはあるが、そもそもカレー粉というものがない。
カレー粉はイギリス人の発明で、1世紀近く統治したかつての植民地インドの味を
懐かしみ、工夫に工夫を重ねて開発したものだ。そしてこのカレー粉をさらに発展させた
ものがカレールゥで、バーモントカレーやゴールデンカレーがそれにあたる。
発明したのは日本人だ。

さてカレーライスの名付け親は、かの札幌農学校のクラーク博士だといわれているが、
カレーライスとライスカレーの違いは何なんだろう? それについては面白い逸話がある。

戦後間もない国会で、「社会民主主義」を唱える政党と「民主社会主義」を唱える政党
ができた時、この2つはどう違うのかという質問に対し、後に山口二矢に刺殺される
浅沼稲次郎(社会主義者)は、
「それはライスカレーとカレーライスの違いのようなものだろう」
と答えてひとしきり話題になった。
日本の国会史上、まれにみるユーモラスな答弁だったという。

スパイスは香りはするが味を作るものではない。つまりカレーは調味料ではなく
〝調香料〟なのだ、とカレー博士の異名をもつ水野仁輔さんは言っている。。
だから50種類の料理があるとすると、カレー粉をふりかけるだけで、
たちまち50種類のカレー料理ができあがってしまう。

つまり、その気になれば「欧風ブラックビーフドライカツカレースパゲッティ」
などという奇妙奇天烈なメニューだって可能なわけだ。
カレー南蛮にカレーパン、カレー煎餅まで作ってしまう国は他にない。
インド発のカレーが、日本に渡って独自の〝カレー文化〟を開花させた。
ラーメンもまた然り。日本という国は、ほんとうに面白い。

 

4 件のコメント:

たぶん男神 さんのコメント...

労様こんばんは

私は2段熟カレーの中辛が一番好きですが
家族はバーモントがいいらしいので
作ったもん勝ちです。

スキー場で食べるカレー美味しいです。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

たぶん後ろ髪様

2段熟カレーとバーモントの味の違い
は何ですか?

聞くところによると、人がカレーの味を
変える時は人生に2度あるといいます。

それは結婚の時と子が生まれた時だそうです。
結婚の時はおふくろの味から嫁さんの味に変わる時、そして子供が生まれた時は、わが家が
そうであったように辛くないバーモントカレー
(甘口)に変わる時だそうです。

たしかにスキー場で食べるカレーは
おいしいよね。へーえ、女神様はスキーも
やるんだ。スポーツは長距離走も水泳も、
そしてスキーも、何でもOKなんですね。
せいぜいゲレンデを清めてやってください。

明日はわくわくドームで泳ぎます。
もし行くのなら9:30I棟の前に。


黒髪の女 さんのコメント...


二段熟はスパイシーな深みのある大人の味で
バーモントは昔の粉っぽい味です。

結婚していないのに、
もうすでに、甘口です。

明日はプール行けないので、
もし来週行くようであれば、
また誘って下さいませ。

ありがとうございます。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

黒髪の女様

わが家はその粉っぽい味のカレーです(笑)。

プールは了解。
またの機会に。