2013年4月10日水曜日

神様だって働く国

マーガレット・サッチャーはガチガチの保守主義者で、
当時、英国病に喘いでいたイギリス経済をみごとに再生させた。
《社会主義は優れた人や自分で仕事を始めて儲けようとする人の足をみんなで引っぱる。
要するに嫉妬から出ているのだ。こんなのが昔からあったら、我々はまだ石器時代だ》

日本の安倍首相もガチガチの保守主義者といわれる。
彼は、
《がんばった人が報われる社会を作りたい》
とサッチャーと同じようなことを言っている。
がんばった者が出世して金持ちになる。けっこうなことじゃないか、とボクなんか思うが、
民主党をはじめとする社会主義者たちは、このことが何より気に入らない。
日教組や自治労といったバリバリの社会主義団体が支持母体だからだろう、
カビの生えた不毛な平等論をふりかざし、底辺に全体を合わせようとする。
旧ソ連の停滞ぶりという歴史的事実から何も学んでいないのだ。

日教組流でいうなら、
「徒競走をしても最後は手をつないでみんなでゴールしましょう」
といった〝ゆきすぎた結果平等〟に執拗にこだわっている。
その結果、勉強は苦手だけどかけっこは得意、とする子の晴れ舞台が奪われてしまった。
これもある種の〝嫉妬〟から発したもの。社会主義の本質は、
出る杭は打たずにはおかないという〝嫉妬〟なのである。
Iron Ladyのサッチャー曰く、
《金持ちを貧乏にしても、貧乏人は金持ちにならない》

劇団「四季」の浅利慶太は団員の入団式の時にいつもこう言うという。
「この世界は不平等と思え!」
手をつないでいっしょにゴールしてきた〝平等世代〟にしてみれば、
浅利の言葉は不本意だろうし、ショックだろう。演技のうまい俳優はエラくなり、
へたな俳優はいつまでも下積みのまま。思えば当たり前の話で、
勝負の世界だから、うまいとへたが劃然と分かれる。
下積みから抜け出したかったらうまくなるしか方法はない。

古来より日本人には「努力は報われる」という発想があった。
また努力が奨励されるという風土もあった。しかし戦後、
左翼勢力の間違った平等思想が蔓延するにつれ、
刻苦勉励という徳目が徐々に失われていった。

社長がトイレ掃除をする国など他にない。
「君子は心を労し、小人は肉体を労す」などと言い、
肉体労働を卑しむどこかの国とは大違いである。
儒教精神に骨の髄までおかされてしまっている国や、
労働が懲罰的なものであるとする非プロテスタンティズム(下記参照)の国々では、
働かない階級が一番エラいとされているようだが、
日本では逆に働かないものは蔑まれる。

『古事記』には天照大神が自ら蚕を飼い、機を織るとある。
この国においては、神様だって労働している。
社長が便所掃除をしてなに悪かろう。
日本はほんとうにすばらしい国だ、とあらためて思う。



※プロテスタントの徳目
●日々のパンのために蜂のように働け
●他人の汗にすがって生活するな
●汝の額に汗せよ(神がアダムに言った言葉)
●働かざる者は食うべからず(パウロ)






 

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