2013年8月14日水曜日

靖国は燃えているか

日本に戦犯などいない。
少なくとも日本人としての誇りがあるなら「戦犯」などという言葉を安易に使ってはいけない。
当然だろう。A級、B、C級戦犯などというが、あれは日本が主権を喪失していた時代に
連合国側が一方的に裁いたもの(東京裁判)にすぎない。そんなものを裁かれた側の
人間が後生大事にありがたがる法はないだろう。

そのため日本政府は、いわゆる戦犯(ここでは便宜的に使う)に対して、国内法上の犯罪人
という認定は一切していない。ふつう「懲役ないし禁固に処せられた者」は選挙権や
被選挙権を停止されるものなのだが、巣鴨プリズンに収監されていた戦犯たちは全員
選挙権を行使していた。つまり、日本政府は戦犯を占領時代からずっと犯罪者として
見ていないのである。彼らは「昭和殉難者」であり、彼らの死は「刑死」ではなく、
あくまで「法務死」なのだ。そのことをゆめ忘れてはならない。

安倍総理が明日(15日)の敗戦記念日に、かねてより明言していた靖国神社参拝を
見送るという。私費による玉串料の奉納にとどめるらしい。ちょっと腰が引けたか、
ガッカリである。

餓狼のような国、とりわけ支那は靖国神社への総理参拝に激しく反対している。
理由は簡単。靖国にはいわゆるA級戦犯が合祀されているからである。
〝侵略戦争〟の元凶であるA級戦犯が祀られている靖国神社を日本の総理大臣が
参拝するのは、先の侵略行為を正当化するもので、中国人民の感情を著しく傷つける、
と彼らは主張するのである。理屈としてはもっともらしい。

しかしこれはあくまで「タテマエ」で、「ホンネ」は〝靖国問題〟を政治問題化すれば、
日本がビビって弱腰になる。また支那にとっては日本の右傾化を世界に喧伝できる
絶好のチャンス、ということなのだ。その思わぬ効き目に味をしめたか、
最近は「中韓」でこの〝歴史カード〟を多用するようになってきた。

情けないのは、中韓の尻馬に乗ってはしゃぎまわる朝日、毎日を初めとする
〝売国的〟メディアたちだ。総理や閣僚の靖国参拝を、さも御家の一大事のごとく
騒ぎ立て、「ご注進、ご注進!」とばかりに支那や韓国にふれ回る。
自分たちの〝良心的な?〟行為が、日本人の誇りを傷つけ、
日本の国益を著しく損なっていることに気づいていないのだ。
いや、とっくに気づいているのだろう。
だから確信犯的に靖国問題を煽っている。

靖国問題のポイントは1つだ。戦犯合祀はあくまで国内問題だ、ということである。
東大名誉教授の小堀桂一郎は、
「日本には〝和解の文化〟がある」
と言っている。たとえ戦争犯罪人であっても、死んでしまえば同じ昭和の殉難者。
その御魂を他の多くの英霊たちといっしょに祀ってあげようじゃないか――
これはきわめて日本的な美風にちがいないが、
日本人にはそうしたやさしい(逆にいうといいかげんで節操がない?)感情がある。

それに〝分祀、分祀〟と気楽におっしゃいますが、肉を切り分けるのとは違うのである。
A級戦犯を分祀しろというのは「霊邇簿(れいじぼ)」から名を外すことだが、神社側に
言わせれば、
《ロウソクの火を別のロウソクに移しても、元のロウソクの火は消えません》
という理屈になり、神道の祭儀上、一度祀った霊を除外することはできないのである。

いずれにしろ戦犯合祀の問題は、日本人の信仰スタイルに深く関わる問題なのだから、
他国がとやかく言うべきではない、と毅然と突っぱねるのが正しい対応の仕方なのである。
無知な連中が〝分祀論〟をぶち上げているが、これはまあ致し方ないとしよう。
ただしその良否はあくまで日本人自身が決める問題であって、
支那など外国があれこれ容喙(ようかい)すべき問題ではないのだ。

日本の若者たちはAKB48の〝総選挙〟には多大な関心を寄せるが、
靖国問題などには無関心で、その本質すら理解していない(大人たちもその点は同じか)。
それどころか、この豊かな日本に生まれたことを少しもありがたいと思っていない。

靖国神社には246万柱余の御祭神が祀られている。戊辰戦争から日清日露、大東亜戦争
と、その多くは対外戦争で斃れた英霊たちである。みな日本国のために命を捨てて戦った
人たちばかりだ。その英霊たちの礎のおかげで今日の豊かな日本があるというのに、
「日本が好きになれない」「日本人としての誇りが持てない」ではあまりに悲しい。

家族のため、故郷のため、お国のために遠い異国に散っていった兵士たちに対して、
それでは申しわけが立つまい。なぜ誇りが持てないのか。答えはハッキリしている。
朝日・毎日新聞やNHK、日教組などによって植えつけられた〝日本悪者論〟的な
自虐史観からいまだに脱け出せないからである。洗脳からは自力で脱け出すしか
ない。

だからきちんと歴史(間違っても岩波新書などを読んではだめ)を学べ、とボクは再三言っている。
いや野暮は言うまい。勉強が苦手なら司馬遼太郎の『坂の上の雲』を読むだけでいい。
日本という東海の小島が、欧米列強の毒牙におびやかされながら、いかに叡智を集め、
綱渡り的に生きのびてきたかがよく分かる。日本が消滅せずに来られたのは、
ほとんど奇跡と言っていいくらいの、民族の「叡智と勇気の総和」によるものなのだ。
われらがご先祖さんたちは、ほんとうによく頑張ってくれた。
そのことを知るだけでも涙があふれてくる。

韓国などはバカのひとつ覚えみたいに「日帝36年」を口にするが、
明治期以来の日本の頑張りがなければ、朝鮮半島はまちがいなくロシア領となり、
今ごろ住民はロシア語をしゃべり、キムチ入りボルシチを食べているにちがいないのだ。
歴史に真摯に向き合えば、そんなことは当たり前の事実なのに、ウソの歴史ばかり
教えられているから、彼らは仇どころか恩人の日本に向かって文句ばかり言っている。

なにが「歴史を忘れた民族に未来はない」だ。韓国が曲がりなりにも一人前に
なれたのは、みんな日本の経済援助のおかげではないか。清の属国から
解放されたのも日本のおかげ、漢江の奇跡も日本のおかげ、'97年の経済危機
を救ったのも日本のおかげ……みんな日本のおかげなのに、歴代政権はそのことを隠し、
すべて自力で成し遂げたというような顔をして澄ましている。国民もまたそれを信じている。
朝鮮半島人こそ歴史を捏造し、もて遊んでいる張本人ではないか。
まったく笑わせやがる。

安倍ちゃんが行かないのなら代わりに……というわけではもちろんない。
久しぶりに靖国の土を踏んでこようと思ったのは、ほんの気まぐれである。
韓国のバカ議員たちも日本の右傾化を批判するために来日するという。
きっと熱い一日になるだろう。



←昭和38年、靖国神社に参拝した
米空軍士官学校の士官候補生たち









※追記
いつも爽やかなコメントを寄せてくれる尼僧の木蘭(鈴木日宣)さん。
『サンケイエクスプレス』に「尼さんの徒然説法」というエッセーを連載しています。
心に滲みる説話です。どうぞ贔屓にしてくださいませ。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130813/trd13081316290017-n1.htm

6 件のコメント:

Nick's Bar さんのコメント...

ROUさん、

こんにちは。

そろそろ書くんじゃないかなぁと期待していたら、期待に違わず書いていただきまして、ありがとうございます。

靖国、合祀、参拝、云々は身内から出た錆のごときもので、上手いこと隣人にご利用いただいているやに思います。

じゃぁ、どうするだよと言われても、打つ手がございませんです。困ったもんです。

改憲が喧しい昨今なんですがね、前にも言った通り、1952年にサンフランシスコ講和条約発効を持って、日本には「完全な主権が回復された」ことになってるわけですよ。

でもね、「完全な主権」という言葉あるってことはですよ、それ以前は「不完全な主権」ちゅうものがなくては話が通じません。となると、やっぱり今の憲法は「?」となってしまうわけでして、困りましたね。

だから「改憲」じゃなくて「廃憲」が正しいんじゃないかと。

ことほど左様に、極東軍事裁判も、後付けありの麻雀みたいなもんで、負けたほうにしてみれば「えー、そんなのありかよ」状態でございます。

だって、昔のお偉いさまはあんまり問題になさってなかったのに、ここにきてずいぶんとうるさくなってきたような気がするものですから。

別に内政干渉だ!などとこぶしを上げる気はありませんが、人がだれを弔うかということにあまり口出ししてほしくはないですねぇ。

亡くなった人をきちんと弔わないと、残った人に災いが起きるという信憑を持たない民族はおそらくないでしょう。それを知っていて、祀るな、弔うなというのはいかがなもんなんでしょうねl。

それとも、かの国のご先祖様はきちんと祀られていない、弔われていないってことなんでしょうか?


話があっちこっち飛んでるうちにこんな時間になってしまいました。

では、では。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

NICK様

お暑ゥございます。

おっしゃるとおりで、改憲より廃憲がスジでしょうな。そもそも被占領地の将来を左右するような法律(憲法とか)に占領している側が手をつけてはいけないものなんです。

現在、護憲派が後生大事に守ろうとしている
日本国憲法は、明らかな国際法違反の下で
押しつけられた罪深い憲法なのです。

だいいち、何ですかあのお粗末な条文は。
旧大日本帝国憲法と比較すれば、その
お粗末ぶりがよく分かります。

少なくともあのおめでたい「前文」だけは
廃棄してほしい。あんなものがあるから、
鳩山みたいな知恵遅れがしゃしゃり出てくる。

支那は狡猾な歯抜けトラ。
韓国はトラの威を借るバカ狐です。

ゆめゆめ警戒を怠ってはいけません。

木蘭 さんのコメント...

しまふくろうさま、こんばんは。(*^-^*)

今回、公の場で私も同じような事を書きましたが、ブログでけちょんけちょんに言う人もあれば、心から同意して下さる人もあり。

初めての賛否両論の反響でしたが、よい勉強になりました。


またしまふくろうさまの今回のブログは、
私の拙文に肉付けして頂いた感じがして、とても嬉しく思いました。


今の日本の平和が沢山の方々の命の上になりたっているのに、感謝どころか悪者扱い。
これでは靖国の英霊は浮かばれません。

こんな日本になってしまって申し訳ないという思いでいっぱいになってしまいます。

私にできることは限られていますが、英霊に感謝する心を一人でも多くの人に持ってもらいたいと切に願っています。


明日はお気をつけていってらっしゃいませ。
私の分もお祈りしてきて下さいね。







ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

木蘭様

こんばんは。
サンケイエクスプレスの記事読みました。
今回はネットです、スミマセン(笑)。
脚が不自由なもので、駅前まで買いに行くのが
しんどいのです。

たしかに中身は期せずして一致しましたね。
ボクたちはなぜか気が合う(笑)。

明日は参拝者のじゃまにならないように、
縮こまっていようかと思います。

11時前後に閣僚の参拝があり、
それに合わせて韓国野党議員のパフォーマンス
も繰り広げられるそうです。

そんな茶番にはつき合いきれないので、
ほとぼりが冷めたころにちょっとだけ顔を出します。

かしこまりました。
木蘭さんの分までお祈りしてきます。
その想いはきっと祭神に届くはずです。

言霊師・胡塞齋 さんのコメント...

自己満足の駄文を書き終えて、労師のページを拝見したら、あたかも愚生の駄文は単なるパクリかと見紛うばかりのものでありました。

労師のように、講和条約以前の「戦中派」ではなく、純粋な戦後派の愚生ですので、大東亜戦争を総括・批判する資格は無いのは重々承知ですが、実際に参戦した世代が全人口の1%以下となっている今日、いつまで責任責任と騒ぎ続ければよいのか?そして、我が国の糞メディアはそれを自虐的に報道し続けるのか・・・まあ、愚生が死ぬまで続くんだろうな・・・とこれまた自虐的になってみます。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

言霊師様

靖國はたしかに燃えていました。
暑くて暑くて、熱中症で倒れていた人もかなり
見かけました。

それでもうねるような人の波は絶えることなく
続いていたのです。

あの人の波と熱気を見れば、韓国のバカ議員
ならずとも「日本は右傾化してる」と勘違い
するかもしれません。それくらい熱く燃えて
いたのです。

靖國問題、慰安婦問題……もともと外交問題
に発展させるほどの問題ではないのですが、
言霊師さんが蛇蝎のごとく嫌う売国メディア
が、「ご注進、ご注進!」とばかりに、
にぎやかにふれ回ったために大ごとになってしまいました。

日本のメディアというのは、
いったい何のために存在するのでしょうね。

ボクは自身のなかで、年ふるごとにメディアへの憎しみが高まっていくのを感じます。