2014年1月4日土曜日

倦かずに30年

あと4日で結婚30周年を迎える。真珠婚式というのだそうだ。
ネットで検索した女房は「ネックレスじゃなく真珠のタマ1粒でもよし、かァ……」
などと聞こえよがしにつぶやいている。こっちは聞こえないふりをする。

それにしても、よくまあ30年も保()ったものだ。
しょっちゅうケンカしている割には、比較的仲がいい。
その証拠に娘2人はすくすくとまっ直ぐに育った。
夫婦仲がわるいと、こどもは心に傷を負い、必ずグレる。

ルビー婚式(40周年)にはどうにかセーフって感じだろうが、
金婚式(50周年)はたぶんムリだろう。わが一族で、80代を迎えた男は皆無。
みな70代半ばで没している。一方、女房の一族は長寿の家系で、
浜松にいる義母などは米寿を迎えようというのに髪がまだ黒々としている。

「働きずくめで身体を酷使してるから、私はたぶん早死にするわね」
と、甲斐性なしの夫を恨めしげに見ながら、女房は力をこめるのだが、
ボクの予想ではおそらく100歳まで生きるだろう。
うちのカミさんは異常に生命力が強いのだ。

誰が言ったのか、
《逢って3年、愛して5年、飽きて10年、あと惰性
なんていう言葉がある。また、
《お茶も飲んだし、散歩も飽きた。時計見ている野暮とヤボ》
というのもまた身につまされる。
ヤボでもいい、惰性でもかまわん。曲がりなりにも30年夫婦をやってきた、
という事実は大したものだ、と正直思う。ボクには上出来の部類である。

夫婦も互いに歳を取ると、どちらからともなくいたわりの気持ちが出てくる。
朝から晩までパソコンに向かっている女房の背中を見ていると、
(苦労ばかりかけて、ほんとうに済まないなァ)と、深く反省するのだが、
数分後、テレビを見ながら酒盛りを始め、意味もなくバカ笑いしているのだから、
ほんとうに反省しているのかどうかはかなり怪しい。

花いっとき、人ひと盛り――ひとの盛りは5年、大負けに負けて10年、と師匠の
山本夏彦は言った。長寿のめでたいことはたしかだが、命長ければ恥多しという。
真珠だルビーだと言ってるうちが花で、同時に潮時なのかもしれない。



←これは5年前の銀婚式を祝った時
のスナップ。みんなまだ若い。新宿の
某イタリアンで。






 

2 件のコメント:

木蘭 さんのコメント...

しまふくろうさま、こんにちは。(*^-^*)

真珠婚式、まことにおめでとうございます。

一所懸命に外で働いて下さる奥様に感謝する旦那様。。
そして家庭をしっかりと守って下さる旦那様に感謝する奥様。

お互いに感謝の心を持っていらっしゃるから今日まで共に歩んでこられたのでしょうね。

とっても素敵な御夫婦だと思いました。(*^^*)

真珠婚式当日は、
どうぞ素晴らしい一日をお過ごし下さいね。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

木蘭様

どうもありがとうございます。

甲斐性がないもんで〝内助の功〟に徹する
しかないのでございます。トホホ……

いろいろお褒めいただきましたが、
まあ、ごくふつうの夫婦ではないでしょうか。とりたてて自慢するところはないし。

真珠、真珠と言ってると、
本気にされるかもしれないので、
この言葉は自ら封じることにいたします。
くわばらくわばら……

ボクの父母も年老いるまで共働きでした。
甲斐性のなさは遺伝です(笑)。