2014年11月15日土曜日

少女の大勇と匹夫(ひっぷ)の勇

●11月某日
陸上自衛隊朝霞駐屯地・自衛隊体育学校にてオリンピック強化選手などの練習風景を
見学させてもらった。肝煎り役は水泳仲間で「水連」幹部でもあるIさん。見学者は総勢
11名で、だいぶとうがたったおっさん、おばちゃんばかりだが、見かけによらず
トライアスロン大会などに出場する猛者たちでもある。

見学したのは水泳、レスリング、ボクシング、射撃、近代五種、ウエイトリフティングなどで、
その迫力に度肝を抜かれた。50㍍プールでは高桑健選手などが両手にパドルを着けたり、
足にフィンを着けたりして泳いでいた。ボクも時々フィンガーパドルを着けて泳ぐことがあるが、
やりすぎると肩や肘を痛めてしまうので、ほどほどにしないといけない。
よく「パドルを着けると魚みたいに速く泳げるんですか?」と訊かれることがあるが、
負荷がかかる分遅くなるのがふつうで、あれは筋力アップのための練習用に使う。
それにしても、さすがにオリンピックに出るような選手は速い。パドルを装着していても
イルカみたいにすいすい泳ぐ。われら11名も、水泳には自信があるものばかりだが、
「さすがに一流はちがう」と、出るのは感嘆の声とため息ばかり。いい勉強になった。

写真はロンドンオリンピックのレスリング・フリースタイル66㎏級で金メダルを獲得した
米満達弘選手を囲んでのもの。通常、身長とリーチ(腕の長さ)はほぼ同じくらいと
されているのだが、米満選手の場合、身長が168㎝に対してリーチが184㎝もある。
まるで手長猿みたいに両腕が長いのである。このリーチの長さが彼の最大の武器になった
といわれている。
←中央が米満選手で、ま後ろにいる怖そうな
白いお髭のおじさんが老生。
見学者が若い娘どころか、みんなくたびれた
おっさん、おばさんばかりで、米満さんもさぞ
ガッカリしたことだろう。
心から同情申し上げます










●11月某日
さいたま地方検察庁に出頭する。
例の「あたしゃ悪くないもんね」で報告したように、8月某日の朝まだきに、
団地内で騒ぎ立てていた悪漢バラを注意したら、逆に凄まれ、もみ合いになってしまった。
どうにもしかたなく天誅を加えてやったのだが、結局警察沙汰になり、
のちに被害届(左下顎部打撲)も出たので、書類送検されることになったのである。

検事さんは言っておった。
「正義感にかられ注意するのはいいのだけど、相手がどう出てくるかわかりませんからね。
へたをするとケガしちゃうかもしれない。そんなときは、まずは警察に連絡してください」
おっしゃることは重々承知。でもねえ、「義を見てせざるは勇なきなり」と言うじゃありませんか。
電車内でいたずらされて困っている娘さんがいたらどうするんです。見て見ぬふりですか?
曲がりなりにも男なら、「およばずながら助太刀いたす」と反射的に飛び出していくもんでしょう。
そこで男の値打ちが問われるんです。ボクは〝現代の遺物〟といわれようが
〝ええかっこしぃ〟とバカにされようが、見て見ぬふりだけはしたくない……とまあ、
精一杯力んでみるのだけど、さて実際はどうなりますか。
起訴されるか不起訴になるかは、まだ未定。今月いっぱいに結果が出ます。

●11月某日
「すべても子どもたちに教育を」と訴え、イスラム武装勢力に銃撃された16歳の少女・マララ。
彼女の手記『I Am Malala』をいま読んでいる。国連で彼女はこんなふうに演説した。
‘Let us pick up our books and our pens. They are our most powerful weapons.
One child, one teacher, one book and one pen can change the world.’
なんて気高く凛とした少女なのだろう。ボクは素直に感動してしまった。
日本語訳もあるが原文は比較的平易で読みやすい。彼女の勇気と高貴な精神に乾杯!

←国連で演説するマララさん。
少女ばかりが乗り込んだスクールバスを
イスラム過激派が襲撃、
「マララという名の子はどいつだ!」
との問いに、毅然として‘I am Malala’
(その勇気ある言葉がそのまま本の題名に)
と返答。すかさず頭部を銃弾で撃ち抜かれた。
 

2 件のコメント:

田舎者 さんのコメント...

嶋中労さま

おはようございます。

今回の日誌を何回か読みかえしています。それは人は生まれ
備わったものを持っている。宿命を強く感じたからです。

オリンピック選手にはなれない、労さまのとった行動がと
れそうにもない、そしてマララさんのような勇気もない。

自分が何を持って生れてきたのかを考えさせられる日誌で
ありました。

詰まらないことなら持っているかもしれませんが・・・

年末に向けて肝臓が疲れませんように、お体をお大事に
なさってください。

ROU.SHIMANAKA さんのコメント...

田舎者様
おはようございます。

そう、人にはそれぞれ持って生まれた宿命
みたいなものがあります。立派な人、勇気ある人、頭のいい人、美しい人……憬れの人は
いっぱいいますが、マネすることはできても、そこには真の自分はいません。

人目を引く大輪の花を咲かせる人もあれば、
菫のように可憐な花を咲かせる人もいる。

どっちがいいとか悪いじゃない。
みんな〝宿命〟の花を咲かせているだけ。

雑草という名の植物が存在しないように、
人にもそれぞれ名前があって、
みんな何かの役に立つために生きている。
誰かを笑顔にするために生きている。

60年生きてきて学んだことは以上のような
ことかしら。あんまりしゃっちょこばらず、自分なりの花を咲かせばいいんじゃない?