2015年9月13日日曜日

トマスの「海を感じる時」

昨日は次女の誕生日を祝う食事会。10日遅れの会だけど、
娘や婿、居候(トマス)も参加するにぎやかな食事会になった。
場所は北青山の「太月」という日本料理店。候補店はいっぱいあったが、
居候に本格的日本料理の醍醐味を味わってもらおうという〝親心〟も
ちょっぴりあって、今回はこの店に決めた。

6人が通されたのは簡素な個室。床の間には〝雪月花〟の掛け軸があり、
どこかで鈴虫が鳴いている。
「リリリリリリ……」
ちょっとうるさい。あるかないかの幽き鳴き声なら風流だろうが、
ずっと鳴きっぱなしだと耳障りになる。

トイレに立ったついでに、店の人にそっと、
「無粋なお願いで申しわけないんですが、虫の音のボリュームを
もう少し下げていただけませんか?」
すると恐縮した体の店の者がそっとあるところを指さすではないか。
そこには小さな虫籠があって、本物の鈴虫がリリリリと鳴いているのである。
なーんだ、ホンモノだったのか……2人は顔を見合わせクスリと笑ってしまった。
個室の引き戸の中にも虫籠があった。栄養がいいのか、
これが実によく鳴くのである。虫を黙らせるのはあきらめることにした。

料理はどれもおいしかった。
トマスも美しい料理の盛りつけに感心した風で、
チェコの母親や妹に伝えたいのか、しきりに写真を撮っていた。

誕生会が終わるとそのまま横浜へ向かった。
横浜レンガ街の近くの「カップヌードルミュージアム」で、
「世界で1つしかない自分だけのカップヌードル」を制作したあとは、
海なし国から来たトマスに待望の海を見せてあげた。

そして夜は中華街でチャイニーズ・キュイジーヌを心ゆくまで堪能。
娘婿のYは元アメフト選手だけに、腕の太さだけでもトマスの3倍くらいはある。
このYがトマスを弟のように思っているのか、食事中などでもやたら〝いじる〟
のである。トマスもいじられることがまんざらイヤでもないらしく、
たのもしい〝アニキ〟のそばで狆コロのようにじゃれついている。

トマスは世界一のビール消費国から来ている。
聞けば、あっちでは18歳以上は飲酒可能で、フランスやイタリア、オランダなど
は16歳から酒が飲める。日本でも飲酒年齢を18歳以上に引き下げようと法制化の
議論がなされたが、つい最近、先延ばしされてしまった。世間的には「まだ早い」
ということか。欧州からの留学生たちはさぞガッカリしたことだろう。
もし酒を飲んだことがバレたらどうなる?
もちろん待っているのは強制送還だ。

娘婿は底なしの酒飲みだから、ボクとは実に相性がいい。
生ビールの次は紹興酒をボトルで頼んだのだが、
あっという間に2人で空けてしまった。
飲んべえの良き婿を選んでくれた。次女には深く感謝している。
N子よ、誕生日おめでとう。Y君と末永く仲良くね。



←日本料理店「太月」の料理。
見た目もしゃれていて、味もいい。
ただ鈴虫が元気よすぎる

0 件のコメント: